平成21年10月1日より、医療法人浩然会の理事長に就任しました。
平成26年5月で創立50周年を迎えました。
医療法人の組織も指宿浩然会病院だけでなく、平成6年に「指宿訪問看護ステーション」、平成9年に「老人保健施設ヴァンベールみどりの風」、平成26年に小規模多機能施設「合歓の木」と拡大し、職員総数も364名と、この50年間で3倍の大きな組織になり、私たちの地域医療に対する責任もますます重大になっています。この責任を強く感じながら、設立時の理念を忘れずに、地域医療に貢献したいと考えています。

理事長 大重太真男

医療法人浩然会の設立理由

 42年前の昭和42年に設立されました。当時指宿市は新婚旅行のメッカで新しい立派なホテルがたくさんできていました。しかし地元のお年寄りは病気になっても自宅の納戸に寝かせっきりになっていました。家族のため、地元のために長年一生懸命働いてきたお年寄りがあまりにも悲しい状況に置かれているのを見るに見かねて、「このようなお年寄りにもできる限り医療の手を提供しよう」との思いで設立されました。老人医療費が無料になる6年も前のことです。

浩然会の名称の起源

 中国の思想家孟子(紀元前372年~)の「浩然の気」より引用しています。
孟子とその弟子である公孫丑(こうそんちゅう)との対話の中で「先生の優れているところは?」との質問に「浩然の気を養っているところである」と答えています。さらに「浩然の気とは?」との質問に「このうえなく広大で、このうえなく剛健なもの、すなおに正しく養えば、天地の間に充満する。これが浩然の気だ。」「義をくりかえし行っている間におのずから得られるもの。むりに得ようとしたらいけない。」と説明しています。孟子の思想の根底は「性善説」です。
「人は生まれながらに善の心を持っている。古井戸に落ちようとしている赤ちゃんを見たら、だれもが助けようとする。」これが性善説の根拠です。
以上のことを簡潔に「浩然の精神」として4ヵ条にまとめています。

  一、礼節を重んずる
  二、大海のような広い博愛の心
  三、人のあやまちをゆるす寛恕の心
  四、勇気と実行力

 浩然会病院は「心あたたまる医療」ヴァンべールみどりの風は「まず親切、礼節を知る」指宿訪問看護ステーションは「その人がその人らしく生きる」を理念に掲げ、皆様に寄り添う医療を提供しようと努めています。
今後も日々の医療を通して皆様の力で医療法人浩然会を育てていただきたいと思います。